(活動報告、収支報告、財産目録など)>2017年度
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1.事業の成果
@ 環境プログラム(川をたのしく親しもう、木と遊ぼう!木に学ぼう!、春(の野草)を楽しもう)を開催することで、里山等の自然体験交流と自然環境を理解してもらうための啓発活動ができた。
A 県北地域の親子が、11カ月間を通して自然環境を考える体験型環境学習(四季をまるごと体験ecoスクール)で、より深く多面的に自然環境を理解してもらう啓発活動ができた。
B 環境文庫(森の学舎)にて、森の学舎の土日活用と環境問題全般を学習できる場を提供することができた。C Webページとfacebookにより、活動の情報発信と環境問題の啓発活動ができた。

 2.事業内容(特定非営利活動に係る事業)
(1)農林漁業などの産業体験や里山等の自然体験交流事業
@ 野草を活用した自然体験交流:春(の野草)を楽しもう
・実施日:2018年3月25日
・実施場所:森の学舎と周辺地域
・参加者:大人=21人、子供=18人(内小学校就学前幼児8人)
・スタッフ:6人
・講師:成迫平五郎氏(宮崎県環境保全アドバイザー・県北植物愛好会)
・概要:森の学舎のグランドと周辺の田んぼや土手で、野草を収穫し名前を覚え調理をして食べて、春の自然の恵みに感謝し自然を大切にする思いを育んだ。
・助成等:子どもゆめ基金
・内容:野草の観察と収穫、野草調理(餃子、天ぷら、白和え、おひたし)
収穫した野草は、「アザミ」「ウバユリ」「オオバコ」「カラスノエンドウ」「コオニタビラコ」「スミレ」「ハコベ」「ツクシ」「ドクダミ」「セイタカワダチソウ」「スズナ」「スズメノエンドウ」「ヨメナ」「レンゲソウ」「スイカズラ」「ヨモギ」「ヤブカンゾウ」「フキ」「ノビル」「セリ」「ナズナ」「ゴギョウ」他。
・準備:(3月24日)野草マップの作成、野草調理の下ごしらえ
A 椎茸ホダ木の管理(ほだ場作業)
森の学舎のほだ場に本伏せにしているホダ木から椎茸の収穫を行った。収穫した椎茸は、環境学習等のお昼に提供する味噌汁等の食材として利用した。ホダ木は2010年と2011年に、コマ打ち(植菌)したものであり、朽くが進み椎茸の発生が大変少なくなってきている。

(2)中山間地の荒廃した里山の環境保全再生事業
@ 子どもの森1号地
2006年3月に400本を植樹した子どもの森1号地は、苗木も大きくなり下草刈の必要がなくなり、センダンの樹高は3m以上になっていて、その他種の樹木も人間の背丈よりも高くなっている。現在は、自然本来の再生能力に委ね人による手入れをおこなっていない。
A GOCANの森
門川高校生と協働して実施した森林の再生活動(2007年3月に植樹、2013年3月に補植樹)をした門川高校実習林の苗木が大きくなり下草刈の必要がなく、ケヤキの樹高は3m近くなり、ヤマザクラは花を咲かせている。現在は、子どもの森1号地と同様に自然本来の再生能力に委ね人による手入れをおこなっていない。
B 妖精の森(放置竹林の広葉樹林への復元活動)
手入れがされず放置されている竹林(森の学舎裏の竹林)を、雑木林に再生し、人や動植物にやさしい自然環境と水源かん養や災害の防止など森林の公益的機能の維持増進を図るために、2009年度から継続して竹の伐採を続けています。これまで伐採した竹林の面積は約0.2haを超え予定していた範囲の伐採は、2016年度に終了したが、元の荒廃した状態に戻らないように、新たに生えてくる竹の伐採を行なった。
・実施日:4月31日〜5月6日、(2018年)3月17日

(3)地域の自然環境などを理解してもらうための啓発活動
@ 四季をまるごと体験ecoスクール(第7期)
・実施 日:5月14日、5月28日、6月25日、7月16日、8月11日、9月24日、10月15日、11月12日、(2018年)2月18日、3月4日 計10日間
・実施場所:森の学舎、ecoスクール麦畑、五十鈴川
・参加 者:7家族13人(内小学校4年生〜6年生は8人)
・スタッフ:延べ6人
・取材:宮崎日日新聞(5月14日)
・後援:宮崎県、宮崎県教育委員会、延岡市教育委員会、日向市教育委員会、門川町教育委員会
・助成等:子どもゆめ基金
・概要:地域の小学生とその保護者に対して、四季を通した自然体験や農業体験から自然の大切さを理解し、将来の自然環境の守り手に育ってもらうために、11カ月の期間を通して、同じ参加者によるスクール形式で下記のことを実施した。
1) ネイチャーゲーム
2) 麦刈り・脱穀、稲刈り
3) 大豆播き、豆腐づくり
4) ダンボールコンポストによる麦畑の堆肥づくり
5) イカダを作り川下りによる河川清掃
6) 川の生きもの調査
7) 昆虫観察
8) 海水を使っての塩づくりとニガリ採取
9) 麦畑づくり、麦種播き
10)石臼による小麦挽き
11)パンづくり(イチゴ酵母とバター作り含む)
12)文集制作
スタッフの準備活動として、各回に実施する内容の準備や後片付け等を下記の通り行った。
5月27日:大豆蒔きと麦脱穀の準備
6月 3日:海水汲み
6月 4日:イカダの装飾に使うため竹の切り出し
7月 2日、17日:大豆畑の草刈りと藁ひき
7月 9日:見本となるイカダ(スタッフ用イカダ)の作成
8月10日:イカダで河川清掃のための河川草刈と試イカダ乗船
10月14日:昆虫観察の下見
11月4日、5日:麦畑づくりの準備
 豆腐づくりのために、麦を刈った畑で大豆づくりを試みたが、大豆が実らず収穫ができなかったので、市販の大豆を購入して豆腐作りを行なった。
 大豆の収穫の代わりに、ビオトープ事業で実施しているミニ田んぼの米収穫を行なった。
 1月に牧場体験を計画していたが、受け入れ牧場であった矢北牧場で鳥獣病対策の関係で受け入れができず牧場体験は中止とした。
A 川を活用した自然体験交流(川をたのしく親しもう)
・実施日:7月23日
・実施場所:森の学舎と五十鈴川
・参加者:子ども13人(内幼児6人)、大人15人
・スタッフ:8人(内ネイチャーゲームリーダーは3人)
・助成等:子どもゆめ基金
・概要:親子を対象に、ネイチャーゲームで自然をさまざまな感覚や心を通じて理解し、自然と自分が一体であることを学び、川あそびをとおして自然の豊かさを楽しみ、自然の大切さを学んだ。この体験を通して豊かな森と水を含め環境を守るために参加者が自分で出来ることを見つけるためのきっかけづくりができた。
 子どもたちとその保護者が、ネイチャーゲーム(川あそび)と川の生き物調べを通して、豊かできれいな水と、多様な水生動物に触れることで、ふだんの生活では気づくことができなかった自然の大切さを実感でき、きれいな川を守るために必要な自分にできることを考えることができ、自然を大切に守ろうと思う心の芽生えは、子どもたちの健全育成に大きな影響をあたえる。
・内容:オリエンテーション、水に親しむ
ネイチャーゲーム(ジクソーストーン、ミステリーアニマル)
川あそび(ささぶねをながそう、そっ〜とのぞいてみよう、みずのおとは?、アメンボウの旅)
お楽しみそうめん流し(昼食)
・準備:(7月2日)昨年の台風による増水で壊れてしまった五十鈴川に昇り降りする道の補修。(7月22日)・素麺流し竹レールの作成(試そうめん流しあり)※4m×4本、長さ微調整、・素麺を湯がくための薪作り(薪割り機使用)※トロ箱3杯、・簡易かまどの設置※2か所、・川遊びの担当確認と事前体験確認、・フィールド(川)を目で確認できるように上流側と下流側のロープ張り、・必要なものを川へ移動、・フローティングジャケットの用意と更衣所の設置
B 森林を活用した自然体験交流(木と遊ぼう!木に学ぼう!)
・実施日:12月3日
・実施場所:森の学舎
・参加者:子ども11人(内幼児4人)、大人8人
・スタッフ:5人(指導者含む)
・後援:宮崎県、宮崎県教育委員会
・助成等:子どもゆめ基金
・概要:樹木の二酸化炭素吸収量を測定し、樹木が二酸化炭素削減に大きな役割を果たしていることを学習した。また、参加者がドングリを自宅で苗木へと育てるために、ドングリの竹ポットを作った。自然における樹木に愛着を持ち樹木の大切さを知ることで、自然環境を理解する啓発活動となった。参加者で育てたドングリの苗木は、数年後に地域の山への植樹へと発展させる。
・内容:オリエンテーション、環境学習(樹木の二酸化炭素吸収量測定)。炙り焼きソーセージ作り、ドングリを使っての学習(ドングリクイズとドングリポット)。ドングリ工作
・準備:(11月26日)竹ポットと竹串づくり、環境学習の事前演習

(4)市民活動の活性化に関わる企画、コーディネート事業
 実施できなかった。

(5)活動の情報発信・啓発のための事業
@ Webサイトとfacebookの運営
・実施時期:4月〜2018年3月
・概要:子どもの森のすべての活動と自然環境啓発等を、月平均2回のWebページ更新にて情報発信した。Facebookへは、年間30回の投稿を行った。
A 機関紙の発行
・発行月:6月(計画では5月)
・概要:子どもの森の前年度活動と自然環境啓発等を、機関紙「子どもの森通信14号」をA4サイズ12ページで発行をして情報発信ができた。機関紙は、Webページからもダウンロードできるようにした。
B 事業案内チラシの作成
・実施時期:各事業の開催1カ月〜3カ月前
・概要:宮崎県や宮崎県教育委員会等の後援をもらい、それぞれの事業や活動の案内チラシや参加者募集チラシを作成した。主に県北の図書館や近隣のスーパー等においてもらった。また、Webページからもダウンロードできるようにした。他の参加者募集の方法として、facebookと地元新聞社(夕刊デイリー、宮崎日々新聞)への掲載をお願いした。ecoスクールの参加者募集チラシは、延岡市・日向市・門川町の全小学校の小学4年生から6年生に、延岡市・日向市・門川町の教育委員会を経由して約5000部を配布した。

(6)その他目的を達成するために必要な事業
@ みやざきエコフェスティバル2017(7月15日)参加者:横山理事長、横山理事
 イオンモール宮崎1階ウエストコートで開催された宮崎県環境みやざき推進協議会主催の『みやざきエコフェスティバル2017』に出展した。子どもの森は、ネイチャー工作の「森の妖精づくり」を13:30〜17:00に行なった。
A 森の学舎の環境整備
・4月30日、5月2日、3日、5日〜7日
 イヌマキとモクセイの剪定(10年ぶり)。※4日間
 森の学舎周辺(グランド東側法面と道路側)の草刈り。※2日間
 ecoスクール準備の麦はさ掛け。
 妖精の森での幼竹伐採。
・6月10日、17日、8月26日、10月8日、9日
 グランドの草刈
・8月14日、15日、16日
 簡易炭窯小屋の竹屋根を、ecoスクールのイカダで使ったコンパネに、ビオトープであまった遮水シートを被せた屋根に交換。あまっている木材で、教室棟の網戸製作。
B ビオトープ
 森の学舎の周辺の水辺では、どんな植物や昆虫などの生き物が生息しているのだろう?そんな小さな疑問から出発して、グランドに人工の水辺環境を作ることになった。
《目的・背景となるニーズ》
 親子参加による年10回程度の体験型環境学習(四季をまるごと体験ecoスクール)のプログラムの一部として、森の学舎グランドで昆虫観察を実施し、畑で麦や大豆を育ているが、昆虫観察(陸上の生物観察)と並行して水辺の生物観察と、麦と並行して米を育てることを環境プログラムや体験型環境学習に取り入れる。水辺の自然環境を学習すること、麦以外の穀物を育てることで、環境学習に厚みを持たせる。
《内容》
 森の学舎グランドの一部に、ミニ田んぼ、水路、池とつながった一連の水辺環境を制作した。森の学舎隣の地区の集会場にある水タンクからオーバーフローしている水を、グランドに作ったビオトープにホースで引いた(地区の集会場の水タンクには、谷沢の水を注いでいる)。ビオトープのミニ田んぼには米苗を植え、他は人工的に草や虫・魚を持ってこず自然の復元力に委ねる。
《助成》
 全労済地域貢献助成事業助成(活動名:身近な水辺環境づくりと情報発信)を受けた。
 本池と調整池、水路にミニ田んぼ、落葉をたい肥にするための落葉置場、蜂のマンション、ビオトープ全体を囲む柵、すべての要素が揃った。試みとしてミニ田んぼに、肥料を与えない状態で、田植えをして、ecoスクールにて稲抜きを実施した。
・実施日:4月1日、16日、22日、23日、29日、5月1日、4日、5日、6日、21日、6月4日、18日、7月17日、30日、8月27日
C 森の学舎の開放
 森の学舎の有効活用と地域に森の学舎を知ってもらうことを主目的として、2件の開放が下記の通りあった。
・5月5日に一泊で、山の会(4名)に利用してもらった。
・8月5日に一泊で、横山理事の企画により熊本県菊陽町在住の小学生2名に利用してもらった。