ホーム環境プログラム>2008年の環境プログラム

スカウト・キャンプin森の学舎 2008年12月28日〜30日

 ボーイ・スカウト延岡第4団(指導者3人とスカウト10人)による二泊三日のキャンプが、森の学舎で開催されました。二日目の午前中だけが小雨模様でしたが、他は好天に恵まれて、スカウトの子ども達は寒い中、元気一杯にキャンプを楽しみました。
 子どもの森スタッフも3人が、森の学舎に宿泊して、キャンプの後方サポートをしました。また、キャンプのプログラムとして、二酸化炭素による地球温暖化の環境学習とドングリ・クイズ、ドングリ工作と、近くの神社までの散策を受け持ちました。その他に、優秀スカウト賞記念品の提供をしました。


草木の説明をしながら近くの神社までの散策

目的地の神社で記念撮影

二酸化炭素による地球温暖化の環境学習と
ドングリ・クイズ、ドングリ工作

スカウトの子ども達が作ったドンクリ工作作品


ドングリとあそぼう 2008年11月9日

目的:ドングリ苗木を育てる学習をして、実際に自宅でドングリの苗木を育てます。2年間、自宅でドングリ苗木を育ててもらい、山へ戻す森づくりプログラムです。その他に、葉っぱの標本作りとドングリ工作を通して、森の恩恵を感じてもらいました。また、親子(3代)の交流の場としても活用してもらいました。
開催場所:森の学舎
参加者:18人(子供11人)、スタッフ:8人
天気:しとしと雨

 9:00 オリエンテーション、記念写真撮影
 9:20 散策
 9:50 竹ポット製作、ドングリ苗木の育て方
11:00 葉っぱの名前調べ
11:30 昼食
12:30 葉っぱ標本製作、ドングリ工作
15:00 解散

参加者記念撮影


 オリエンテーションと記念撮影の後、ドングリ工作と葉っぱ標本で使用するドングリと葉っぱを集めるため、森の学舎付近を散策しました。雨のため30分しか散策ができませんでしたが、イチイガシのドングリといろいろな葉っぱを集められました。散策が終わり森の学舎に戻り、森林インストラクターの飯干さんの手ほどきで、ドングリ苗木の育て方と、ドングリと拾った葉っぱの名前を図鑑を使って調べました。
ドングリと葉っぱ拾い ドングリについての話
ドングリと拾った葉っぱの名前調べ


 ドングリゆりかご(ドングリ苗木を育てるポット)は、竹を加工して作成しました。参加された方が自宅で、あらかじめ用意していたクヌギのドングリを竹ポットで育てます。親子で一緒に、のこぎりで竹を輪切りにして、土台に切込みを入れ通気を良くして、ぼら土と腐葉土をつめて、ドングリを蒔きました。苗木は、参加者の自宅で育て、2年後に、山へ帰す予定です。
親子で竹の苗ポットを作成 ポットにドングリを蒔きます
完成したドングリ苗ポット


 持参のおにぎりと、準備したブタ汁で、お昼ごはんを食べました。ブタ汁以外に用意したドングリおにぎりとドングリクッキーは、参加者に大好評でした。もちろんブタ汁も好評でした。
美味しい昼食


 午後は、葉っぱの標本とドングリ工作です。午前中の散策で拾った葉っぱの名前をラベルへ書き込んで、ラミネータで葉っぱ標本を作りました。その後、拾ったドングリや木の枝・殻斗(ドングリの帽子)等を使って、それぞれ自分だけのオリジナル作品を作りあげました。
拾った葉っぱはアイロンで乾かします 葉っぱと名前ラベルを一緒にラミネートして標本作り
ドングリ工作


:*´*☆彡 参加者感想 。★彡*

 ドングリのことが分かった。苗木が大きくなったら山に帰します。来年の夏も家族で参加したいと思います。普段の生活の中では、できない体験ですので。
 毎日の生活の中ではできないことだったので良かった。ドングリの芽がでるのが楽しみです。また来たいです。子供がこのような体験ができて良かったです。ありがとうございました。
 普段は工作など一緒に作ることがないので、親子で良い機会になりました。ドングリも拾うだけだったので、子供もとても楽しかったと思います。植物を育てるのは難しいですが、頑張ります。また、参加したいと思います。今日はありがとうございました。
 ドングリ拾いが楽しかったです。
 寒かったです。ブタ汁が美味しかったです。
 初めて参加して、とても楽しかったです。また、次の企画を楽しみにしています。子供のいる友人にも紹介して、今度は大勢で参加したいです。私たちの子供時代に経験したことを、このような形で子供にも伝えていきたいです。次回は、夫も参加させます。
 ドングリとあそぼうに参加でき、とても楽しかったです。また、参加したいです。
 ドングリとあそぼうで楽しかった。どうもありがとうございました。また、来ても良いですか?
 ありがとうございました。ブタ汁、どんぐりごはん、ビスケット、美味しかったです。また参加したいと思います。
 ドングリの作品を作ったのが楽しかった。
 ドングリの種類を詳しく知りたかった。今日は、あいにくの天気だったけど楽しい時間を過ごせた。ちょっと寒かったので、今度は暖かい格好で来たい。
 ドングリ工作や落ち葉の標本作り、ドングリ苗木のポット作りができてとても楽しかったし、自然をとても満喫できたので、すごく良かったです。
 森では、いろいろな実や葉があった。いろいろ名前を覚えることができた。
 葉っぱの名前が分かったし、ドングリで工作するのもとても楽しかったです。特に、ドングリ工作は、自然の物を使って作れたので良かった。

完成したドングリ工作


後援:宮崎県、宮崎県教育委員会、みやざき森づくりボランティア協議会
助成:宮崎県社会福祉協議会「ふるさと愛の基金助成」より一部助成


環境文庫開設記念講演(お天気よもやま話と地球温暖化) 2008年11月1日

 環境問題を考える講演会を、環境文庫の開設にあわせて、14時30分より開催しました。講演は、森づくりなかまの宮崎グリーンペルパ-の会代表で、気象予報士の岩倉尚哉さんにお願いしました。一部と二部の構成で、一部は、お天気よもやま話。二部は、地球温暖化について、お話をしていただきました。

 はじめに、2年前に20校あまりの小さな小学校に、自費で出前講演をした話がありました。出前講演をしたいくつかの小学校で休校や廃校となった学校も多くあり、地域のおける学校の存在についての思いを話してくれました。

 一部では、1月から12月の年間に存在する農業と気象を中心とする昔からの言い伝えやことわざの由来について、自然環境との関わりから、解り易く解説をしてくれました。
 「こぶしが咲いたら田植えをせよ」は、植物は、気象環境に敏感だから、田植えの最適時期をこぶしが咲く時であることを昔の人は、伝えてきた。でも、温暖化の影響がでているはず。
 宮崎では、雲が東(海)に向かって流れる時は、晴れる。西(山)へ流れる時は崩れると言われるのは、風が気圧の高い高気圧から気圧の低い低気圧に向かって吹くためで、高気圧が近づいてくれば、東に風が吹く、低気圧が近づいてくれば西に吹くので天気の変わリ目が解る。
 また、「柿が豊作の時には、台風が多い」の話では、柿の実る時期と台風がやってくる時期が一緒であるため、柿が豊作だったら、多くの柿が地面に落ちるけど、柿が不作だったら地面落ちる柿の数が少ないので、台風の被害が印象に残っていての思い込みではないか、地域的に柿の豊作・不作はあるけど、全国で柿が収穫量が減ったり増えたりはしていない。人間、思い込みも結構あるようです。

 二部では、近年25年間は、宮崎県内各地の平均気温が右肩上がりで上昇をしていることを例に地球温暖化についての話がありました。また、エネルギー効率の話があったのですが、かなり印象に残りました。
 穀物からのバイオ・ガソリンは、生産するエネルギーの方が生産されたバイオ・ガソリンより、より多くのエネルギーを使うとのことでした。つまり、バイオ・ガソリンそのものを消費する時は、エコとなるけど、生産や輸送で、より多くの化石燃料を使用すれば、エコに逆行していることになる。マスコミは、その事をなぜ知らせないのだろう。穀物の値段も跳ね上がり、多方面への影響もでているし。
 太陽光発電も同じで、パネル生産に係るエネルギーとパネルが発生させるエネルギー(電気)を比べたら、少しだけパネルが発生させるエネルギーが多いだけ。これから更に、技術開発が進むのでエネルギー効果もあがっていくとは思うけど。
 今、エコを大儀名文として、企業の販売戦略や地域イベント等が行われていますが、きちんと本質を見定めて、本当に環境が主体として考慮されているのか、環境問題を捉えての事なのかを、考えなければならないとあらためて感じました。


地域の方も多く参加してくれました。

:*´*☆彡 参加者感想 。★彡*

 分かりやすくて非常に良かった。
 おもしろ資料がたくさんありました。私も、これから詳しく勉強していきたいと考えています。
 めったに聞くことのない話しが聞けて良かった。
 今日のような話を聞くことはあまりありません。とても興味深く聞きました。昔のことわざは、すごいなぁ。子供達に残していかなくてはいけないなぁと感じました。本当にありがとうございました。
 一部、二部と分けて、理解しやすく良かった。

後援:宮崎県、宮崎県教育委員会、みやざき森づくりボランティア協議会


デイキャンプ 2008年8月3日

目的:ネイチャーゲームを通して、自然環境にふれ自然環境を考えてもらいます。そして、小枝を使った工作を通して、自然の恩恵を感じてもらいます。また、親子(3代)の交流の場としても活用してもらいました。
キャンプ地:森の学舎  参加者:25人(子供15人)  スタッフ:9人  ネイチャーゲーム・リーダー:4人  天気:快晴

 9:05 オリエンテーション
 9:20 記念写真撮影
 9:25 ネイチャーゲーム(一部スタッフでパン生地づくり)
11:30 昼食づくり&昼食
14:00 工作とパン焼き
15:30 解散

準備  スタッフは、8時15分に集合して、テント張りや受付の設営、飲料水の準備等をおこないました。参加者集合時間が近づいてきたら、駐車場誘導係り、受付係り、案内係り、写真係り等、それどれのポジションに付きました。参加者用駐車場としてグランドを使用しました。


代表あいさつ

参加者記念撮影

オリエンテーション  教室棟内で、横山理事長のあいさつ、事務局から今日の活動予定の確認・トイレ・ネイチャーゲーム時の注意点等の説明後、ネイチャーゲームリーダー(フェニックス宮崎ネイチャーゲームの会の古田さん他3名)の紹介を済ませて、グランドにて記念撮影をしました。そして、ネイチャーゲームのため五十鈴川へ出発です。ちなみに、五十鈴川は、森の学舎のすぐ目の前です。

ネイチャーゲーム  今回は、川を使ってのゲームを実施しました。
1.ノーズ:答えはトンボ。トンボを想像させるヒントをリーダーがだします。解ったら自分の鼻に人差し指をあてます。さらにヒントがだされ、自信がなくなったら、鼻から人差し指を離します。生きものについて関心をもち、生きものを想像する楽しみを体験します。
2.フィールドビンゴ:ビンゴカードの中に、川の生きものや、川の音、そして笹舟を作り流し(川遊び)も入っていました。今回のビンゴカードのスペシャルは、手長エビ探しでした。感覚を研ぎすまして観察力を高め、自然からの発想を得るの体験です。


ノーズ

フィールドビンゴ(川の流れる音)

フィールドビンゴ(川をのぞこう)

フィールドビンゴ(笹ふね流し)

 テナガエビもたくさん捕れました。テナガエビは、観察をして、川へ戻しました。絶滅危惧種のタガメも見ることができました。川がネイチャーゲームのフィールドになったため、ゲームが終了しても、なかなか子供たちが川から離れませんでした。


タガメ(幼虫

テナガエビ

スタッフによりパン生地づくり

 参加者がネーチャーゲームで川に行っている間に、一部のスタッフで、飯盒炊飯の用意と強力粉2Kgを使ってパン生地の作成をしました。室内では、パン生地を発酵されるための気温がないため、車の中で発酵させました。

昼食づくり&昼食  デイキャンプ定番の炙り焼きソーセージの生地を参加者全員で作りました。また、グランドに仮設釜戸で、飯盒による炊飯も行いました。飯盒炊飯が終るのを待ってから、ソーセージ生地を竹串に付けて、仮設釜戸でゆっくりと焼き上げました。焼き上がったソーセージと飯盒ご飯と一緒に昼食をとりました。昼食は、室内であったり外であったり、ソーセージを焼きながら食べたりと参加者それぞれ自由に食べました。

炙り焼きソーセージ

工作とツイストパン焼き  参加者に2グループに分かれてもらって、それぞれのグループで工作とパン焼きを交互に体験してもらいました。工作は、「森の妖精」、パン焼きは、午前中に用意したパン生地を木枝に巻いて、仮設釜戸で焼き上げました。

工作

パン生地を棒に巻いています

パンを焼きます

解散・後片付け  予定より30分遅れで、今日のデイキャンプは終りました。アンケートをお願いして解散となりました。その後、スタッフの後片付けが終了したのは、16時30分でした。

参加者感想・意見


工作(森の妖精)

● 家族みんなで良い経験ができました。子供も普段できないこと、いろいろなことを学んだと思います。ぜひ又、参加します。実行員の方達もご苦労さまでした。ありがとうございました。
● 自然の中で虫や魚など、普段触れ合えないものと沢山触れ合えて、子供たちに、とってもいい経験をさせられたと思います。水の大切さ、食べ物を作る過程の大変さは、身にしみて分かったようです。また機会があれば、是非参加したいと思います。沢山の気配りをして下さったスタッフの方、本当にお世話になりました。貴重な経験をありがとうございました。
● とても楽しかったです。普段体験できない事が、とても多くあり、勉強になりました。ありがとうございました。
● とても楽しかったです。お世話になりました。またしてください。ありがとうございました。
● とても楽しかったです。また、やりたいです。
● 今日は一日、時間を忘れて楽しい時間を共感することができました。一つ一つが、とても大切な体験だったと思います。ぜひ、また参加したいと思います。よろしくお願いします。スタッフの皆さま、準備及びご配慮等、ありがとうございました。
● 次回、また参加したいです。ご飯もパンも本当に美味しかったです。ネイチャーゲームでは、タガメも見ることができたし。普段子供たちの体験しがたいことができ大変良かったです。ありがとうございました。100点だったと思います。
● 子供たちと向き合って遊べたこと。自然の美しさ、美味しい料理(子供たちがいつもよりずっと沢山食べてくれた)。文化的な生活から離れたこと。ボランティアの方のサポート。すべて良かったです。ありがとうございました。
● また、機会があったら、是非参加したいです。スタッフのお姉さん達も、娘に辛抱強くつきあってもらい、とても感謝しています。お世話に世話になり、ありがとうございました。

後援:宮崎県、宮崎県教育委員会、みやざき森づくりボランティア協議会
助成:宮崎県社会福祉協議会「ふるさと愛の基金助成」より一部助成

デイキャンプの準備 2008年7月26日


パン生地作り
 来週に開催するデイキャンプの準備として、当日のスタッフ参加する6人で@〜Cを実施しました。
@竹のお椀作り、A炙り焼きソーセージ用竹串作り
 森の学舎裏山からr竹を切り出して、お椀20個と串を80本作成
Bツイストパン作り
 思ったより気温が上がらずパン生地が発酵不足でした。木の棒に巻いて焼いたのですが、巻き方によっては、棒からはずれます。
C炙り焼きソーセージ作り
 竹串に空気を抜いて、しっかりと付けないと焼いた時に、ソーセージ生地が剥がれ落ちます。

D飯盒炊飯
 やや水不足で、焦げました。水は、お米の1.5倍の容量でないといけないことを再認識。
以上、失敗をデイキャンプ当日には、活かしたいと思います。

炙り焼きソーセージ用竹串作り

    炙り焼きソーセージと飯盒炊飯の試食


 森の学舎修繕も予定していましたが、人手不足のため実施できませんでした。


分校グラウンドを使ってのネイチャーゲーム 2008年4月28日

 門川町地域子育て支援センター親子サークル「リーフ」の親子8組(大人6名、子供9名)と保育士さん2名が松瀬でイチゴ狩りの計画があるので、その後に松瀬分校にて子どもの森の活動を話してくださいとのお話があり、せっかく来ていただくなら、環境に興味を持ってもらえればと思いネイチャーゲームを体験してもらうことにしました。

 子どもさんは、1歳半から2、3、4歳とまだ小さいので、お母さんとできるものと思い、1つ目に「同じものみつけよう」で4種類の葉っぱ、実を見つけてもらいました。2つ目は、「森の色あわせ」でいろんな色を分校の校庭で見つけに行ってもらいました。ちょうど桐の木のきれいな紫色の花が落ちていて、それを持ってきてくれた子どもさんと一緒に色を探したり、虫眼鏡で小さな花を熱心に見る子もいたり、みんながんばって見つけに行ったりとうれしい活動となりました。この時期から親子で自然に親しむ活動ができると将来が楽しみです。
 ネイチャーゲーム終了後、分校でお弁当を食べ1時過ぎに解散となりました。


ネイチャーゲーム

 今日は、子どもの森スタッフも元保育士の友人と心強く、初めてのイチゴ狩りは楽しかったし、子どもたちはみんなかわいいし、本当に有意義な日でした。


環境問題を考える講演会 2008年2月2日
 クリエーティブセンター門川 午後1時30分開会


子どもの森活動紹介

 今回で、3回目となる「環境問題を考える講演会」は、ロキシーヒル酋長の圖師哲雄さんの講演「豊かな森づくりをめざして」をおこないました。前回と同じように、子どもの森の活動紹介を10分間おこない、ロキシーヒルと圖師さんを紹介する三つのTV番組を20分位参加者に見てもらった後に、圖師さんの講演が始まりました。約30分の講演が終ってからは、参加者と圖師さんとの間で質疑応答がおこなわれました。今回の環境問題を考える講演会は、19人の参加者がありました。

講師紹介:圖師哲雄さん ロキシーヒル酋長、みやざき森づくりボランティア協議会会長
 西都市にあるロキシーヒルで、森づくり活動を通して、森林環境問題や青少年の環境教育等に取り組んでいる。
 平成15年9月に開催された第55回全国植樹祭プレイベント「悠久の森づくりボランティア全国大会」をみやざき森づくりボランティア協議会主催で開催させた。

子どもの森活動紹介 横山謙一(子どもの森理事長)

 子どもの森活動紹介は、パワーポイントによりプレゼンテーションしました。プレゼンテーションデータは、こちら から。

豊かな森づくりめざして 圖師哲雄(ロキシーヒル酋長)

「ロキシーヒル」とは?

 私が十年余り森づくりの活動をしている「ロキシーヒル」は、西都市の上三財の囲(かこい)という地区の山の中にあります。西都市の市街地妻の町から二十分程度の距離にあります。
 来られる人から必ず聞かれるのが名前のことなので、まず、「ロキシーヒル」の名前の由釆から説明します。
 一見すると英語の名前のように感じる人が多いのですが、そもそも「ロキシー」とは私が何度もトレッキングに出かけたことのある国、ネパールの焼酎のことです。そして「ヒル」は英語で丘の意味ですから、直訳すると「焼酎の丘」になります。言わばネパール語と英語がドッキングしたものなのです。
 この「ロキシーヒル」に来る人は、森づくりを楽しみながら、人との交流を深めることを楽しみにしています。


ロキシーヒル酋長の圖師哲雄さん

自己紹介を

 私は一九三五年生れで、現在七十二歳です。私の生家は小作農で、七人兄弟姉妹の長男に生まれました。私が小学校五年生の時、父が神経痛で倒れ仕事ができなくなり、母は仕事の無理がたたって失明してしまいました。
 したがって、私は子供ながらも一家を支える立場になりましたので、遊ぶ時間はありませんでした。兄弟姉妹、力を含せて農業を続けたのです。今考えてみると、農業を続けたことで自然の恵みや厳しさを体感することができたのです。
 そして、この時農業を続けたことにより、自然の恵み、生き物としての五感を感じる能力が身についたような気がします。今でも山で暮らしていると、「ハッ」とするような事を体験できるのは、そのお陰でしようか。

農業にも定年退職を

 私は、アメリカの農場主がやるように六十歳を過ぎたら農業をやめることをずいぶん前から決めていました。そして、何かこの世に生まれてやり残したことは無いだろうかと考えていました。そんな時、県立図書館でジャン・ジオノ著「木を植えた男」という絵本に出合ったのです。
 私は、この本に衝撃的な感動を覚えたのです。そこで農業の定年退職を宣言して、一九九八年、六十二歳の時に「豊かな森」づくりに着手したのです。
 また、同時期に県立図書館で「豊かな森へ」という本と出含いました。それは、スウェーデンの森林基本法を分かりやすく解説した、森づくりのテキストでした。要約すると、「森を持つということは国土の一部を持つという特権です。それには責任が伴います。森の持ち主は、自分のためだけでなく、他のすべての人々のために「豊かな森」を作り続けなければならない。何時いつまでも収入と楽しみを産み続け、動物にも植物にも素晴らしい環境を与え続けるような、そんな森を」という内容でした。

時代にあった森づくり

 森を作ろうという行為は、時代的に最も大切なことです。
 人間は自然界にあっては、他の動物とか植物たちと同じ生物に過ぎません。しかし、人間の都合によって自然林を人工林にしたり、人工林が金にならないからと言って、人の手を入れようとしないのです。
 私は自然林であった頃の自然の恵みを経験しています。自然林が豊かであった頃は、自然の恵みがいっぱいありました。川では魚が簡単に捕れて、夕食のおかずにもなっていました。川辺の草むらにはシバエビがザルで捕れていました。
 山では落ち葉は腐葉土となり、スポンジのように大地を覆っておりました。したがって大雨でもすぐに水が濁ったり、急に出てこなかったのです。その頃の森の恵みのことを良く知っておりますので、ああいう森にしたらいいなと思うわけです。


圖師さんの話しに熱心に耳をかたむける参加者みなさん


子どもの森の活動で作った自然素材工作


ロキシーヒル憲法

 ロキシーヒルには憲法があります。
 「まず木を植えよう。植えたら手入れしよう。山桜が咲いたら花を見て楽しもう。木の実ができて、小鳥が増えたら、子供達と楽しもう。そういう自然を自分たちの手で取り返そう。この子供達は、自然からいろんな事を体験を通じて体で覚えればいい。自然の中で流す汗、労働する喜び、お互い助け合いが体験できる。何より木を植える楽しみがあります。何年も何十年も経って自然が戻ったら、そういった自然の恵みに感謝しよう。」
 この憲法のもとに森づくりを続けてきました。

絆を深める植林活動

 「ロキシーヒル」では、来る人には必ず木を植えてもらいます。そして、必ず手入れに来ることを約束します。親子で自然の中に入り、木を植えることに汗を流し、夏の暑い日、汗だくで下草刈りをする。そこには親子の新しい深い絆が生れるようです。
 夏には毎年のように高校生を対象にした、サバイバルキャンプがありますが、高校生になるといわゆるツッパリのような元気な子供も来ます。そんな子供が大自然の中の四泊五日のキャンプ体験をしますと、最終日のお別れ会で涙を流しながら、仲間と握手して再会を誓うということもありました。その姿を見ると自然にはどこか教育的な機能があると気付かされます。
 そこで、今後は、環境教育の場として「ロキシーヒルの森」を使い、子供の環境教育を重視することにしています。宮崎は緑の多い土地ですから、森づくりを進めながら、大自然の中で、ゆったりした健康的な子供を育てたらいいのではないかと思っています。

「知ることは感じることの半分も重要ではない」

 人は物知りだけではだめだ、人は四季を感じたり、人情の大切さを感じたり、友情を感じたり、助け合う事の大切さを感じたりすることの方が何倍も大切だと、環境問題で有名なレイチェル・カーソンが、そのエッセイ「センス・オブ・ワンダー」の中で言っている言葉です。
 森には凄い力があると思います。子供達の五感を森は豊かに育ててくれます。

なぜ木を植えるのか

 「木を植えて何のメリツトがあっと」とよく聞かれますが、木を植えるということは、まず自分のためになる。植樹にしても育樹にしても汗が出ます。非常に健康によろしい。そして精神的な潤いも得られる。楽しみながら木を植えて、いつの間にかたくさんの木が育つことは、愛する妻や子供、さらには子々孫々まで森の恵みを持ち続けることができるのです。
 今、問われるのは、人間と自然の共生だと思います。子供達には、森づくりを通じて自然の不思議さとか、神秘的なことを体感して、自分を地球上の生き物の一員としての感性を磨いてほしいと思います。森づくりは十年、五十年、百年と長い旅でありますが、ゆっくり焦らず、でも、あまりゆっくりしていますと私も七十二歳ですからと思っています。

 最後に「豊かな森とは」自然の循環がとどこおりなく行われる森だと思います。民有林も国有林もこの原点を守って、豊かな森をつくりを続け、楽しい人生を送れるようになればと思います。

:*´*☆彡 参加者感想 。★彡*

 森づくりをされている圖師さんを知ることができて良かったです。
 豊かな森づくりへの取り組みに感動した。ひとつでも出きることに取組みたい。
 時間もあり、わりと少人数でしたので、参加者から一人一人話を聞いても良かったのではないかと思います。ありがとうございました。
 以前、ロキシーヒルに行ったことがあります。当時2才だった娘が子鹿に葉っぱをあげて喜んでいました。豊かな森に、たくさんの種類の動物たちも生きていけるといいなと思います。今、困っているのは、すぐ近くの森に不法投棄がされていることです。また、ロキシーヒルにあそびに行かせて下さい。ロキシーヒルにあるようなログハウスやツリーハウスを作ってみたいです。
 楽しい話しを聞かせていただき、ありがとうございました。
 圖師さんの人柄を感じた。もっと知りたいと思います。
 圖師さんの話しが聞けて良かったです。質疑応答の時間、意見交換の時間をもっととったら良かったかと思います。興味のある人が、直接ロキシーヒルに行ってじっくり話しをすれば一番良いのですが、せっかくこの場に集ったので、ここから人の広がりがまた始まることも大切かと思いました。
 子どもの森の活動が初めて解りました。素晴らしい企画です。頑張って下さい、応援します。PRをもっとして、多くの方に知らせるといいですね。今日は、ありがとうございました。
 講演〜森づくりを通して子ども達に環境教育、心の教育を実施されている姿に感銘を受けました。農業で培われた体力と精神と心意気が人々の輪を作り、地球の環境の保護に努力されていると思いました。今日は、貴重な体験をお聞きし、この会に来て本当に良かったと思います。子どもの森の活動〜諸処の活動を積極的にやっていらっしゃって、地道な活動が子ども達の「心」の教育に役立っていると思います。ありがとうございました。
 山に興味をもちました。
 山で五感を養うということ、私たち子供の子どもの頃、本当に身に付けたと思う。今の子供にも大切ですね。
 圖師さんへ〜今の地球は、私達の子供の頃とは、ずいぶん違って大変な状況になっておりますが、生活を変えてしまって「ロキシーヒル」をお作りになられて、ご苦労がたくさんあると思われます。でも、多くの方と活動を通して楽しい日々を送られるという幸せな部分も一生の内にたくさん体験して下さいね。今すぐには、とてもお手伝いできませんが、近い将来、豊かな森づくりに私も参加できたらと、いや参加しようと思っています。それまで、お身体にくれぐれも気をつけて頑張ってください。
 今後も活動を続けて下さい。
 本日の講演をお聞きし、いろんな形で森づくりが展開されていることに共鳴しました。本日の企画は、大変有意義でした。ありがとうございました。