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2007(平成19)年度通常総会

 私たちの住んでいる地域には、多くの清らかな流れの河川があります。私たちの子ども時代には、川で味噌汁の具にする蜆を採ったり、夏休みには、毎日のように川遊びをしていました。そんな、きれいな川がいまでは汚れてしまい遊泳もできません。そして、山に目を向けると、台風などの大雨は、山から時間をかけてゆっくりと川へ流れでていましたが、近年では、雨が降ったとたんに大増水し、雨が上がると川の増水は一気に減ってしまいます。つまり、山が治水の働きをせず、降った雨が、すぐに川に流れ出ています。そして、山からは、海に大量の杉や竹が流れ出ています。 地球温暖化防止が世界で話し合われ、水没の危機にある南太平洋の小さな国や、大陸の砂漠拡大など、世界的にも地球環境の悪化が叫ばれています。そんな背景からも、私たちは、今よりさらに悪化させた自然環境を次の世代に引き継ぐことをしてはいけないし、できるだけ良い自然環境を、次の世代に引き継ぐ責任があります。  こんな悪化した自然環境に対して、行政では決め手となる対策ができず、もはや人任せではなく、自分自信の問題として捉えなけれならない事に気づきました。自然環境を守り良くするために、自分自身で何ができるかを考えた時、同じ考え気持ちを持つ仲間が集まって、各個人が時間を作ってボランティアで環境問題に取り組んで行くことから、始めなければならないと思いました。  言葉で、環境問題に取り組んでいくと言えば簡単ですが、では実践をどうするかが課題でした。子どもの森の役員達は、色々な研修会に参加して勉強をしてきました。また、環境問題に取り組んでいる他の団体の活動に参加したりして、会の活動の方向性を模索してきました。その結果、植樹や育林など、荒れた山を保全整備して行く活動と、将来において自然環境を守って行くことになる次の世代への環境啓発を実践して行く事が、子どもの森の方針として固まってきました。  今までは、木材の生産量が多い森が良い森であったと思いますが、現在は、森の持つ環境も森の価値と判断される時代となってきました。しかし、森の持ち主に環境を作ってもらい、それを無償で使うわけにはいきません。何らかの形で、みんなで協力して、森の環境を作り守らなくてはいけません。  山村、森の多い国や地域は、森を守り育てる責任があり、都会、森の少ない国や地域は、その手助けをしなくてはなりません。全国的に森林環境税の導入が進んで、森林の環境を守る事が叫ばれてきて久しいですが、森の多い県や地域だけに森林環境を守ることを押し付けることにならないように、森林環境を作り守るための活動を、みんなで取り組んでいかなくてはなりません。

『水と緑の森林づくり』県民ボランティアの集い(平成18年10月29日開催)での横山理事長活動発表より